春闘、労使関係に厳しい学者提言「騙されるな」
2024-11-13


【労働フォーラム】20241113―102

春闘、労使関係に厳しい提言、「騙されるな」と藤村博之・法政大学名誉教授

★藤村博之・法政大学名誉教授でJIL・PT理事長は連合の25春闘中央討論集会で「労使関係の正常化」と題して基調講演し、春闘や労使関係について厳しい提言を行った。 ★講演では「他国に比べ日本の労使関係は正常化していない」と指摘。★33年ぶり高水準獲得の24春闘についても「5%超(ベア3%超)では生活向上分を獲得していない」と述べ、この20数年の物価を下回る実質賃金の低下について「異常なこと」との認識が春闘議論のスタートになる」と提起した。 ★労使関係についても「組合は経営側に寄りすぎではないか」「経営側と同じ論理で考え、同じテーブルに座るのではなく、「90度の角度」で座ることが必要だと提起した。 ★ 分配構造についても内部留保の増大や株主配当増加などに対して、実質賃金はマイナスが続いてことついて、「みなさんは、経営側に騙されている」と苦言を呈した。 ★ 「ジョブ型「と「メンバーシップ・ジョブ型」の違いについても、「ジョブ型は職務給であり、職務記述書に限定され、所定時間で仕事は終わり、労働側優位」と指摘。メンバーシップ・ジョブ型は「新卒採用でわが社のメンバーとされ、業務以外の仕事や残業、異動を行い」とし、「ジョブ型雇用は幻想であり、かつて90年代人事の成果主義の悪い循環」と指摘し、「止められるのは労働組合のみであり、役割でもある」と指摘した。 ★25春闘については、実質賃金は物価上昇に追いつてなく、GDPの6割を占める個人消費の拡大へ賃上げを」提起。「会社の財政は「二重底」であり決算で1割くらいは動かせるといわれる」と述べ、★「もっと要求してよいという経営者もいる」「既に7%の賃上げを提唱している経営に対して組合はより高い要求をして交渉になる」とハッパをかけ。実質賃金割れには「もう1回ベア交渉をするが組合の責任ではないか」「人材不足であり、激しい議論のなかから新しいものが生まれる」と檄を飛ばした★。株主配当増など分配のゆがみを是正させるのは組合しかない」と激励した。 ★連合総研の市川正樹所長は「企業は賃上げを増やさず、内部留保は600兆円超も増えている」と指摘し,中小企業の内部留保増のデータも示した。(鹿田勝一)


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